2024 #baystars 歓喜の夜
夢を見ているようだった。「夢見心地」というわけではなく、現実にしてはあっさり決まってしまって現実味がなく、喜び方を見つけようにも掴みどころがなかったからだ。

第2戦までをみれば、これは厳しいなと思った。手元にある第6戦のチケットを握って、本当に自分はハマスタに向かえるのだろうか。少なくとも、東京ドームでのCS Finalのように、引きちぎられるのを必死で堪える日々なんだろうなと予想したところからの29回連続無失点。様々な場所にあった紙一重の分岐点を正しい方向に導いたのは選手の頑張りがあってこそだが、終わってみればスルスルっと転がってきたような実感もどこかに残った。振り返ってみれば、第3戦の初回こそホークスによる同点劇があったものの、シリーズを通して逆転という展開は最後までなかった。第6戦の一挙7得点は、周囲こそお祭り騒ぎだったが、自分の中には戸惑いも少なからず存在した。
レギュラーシーズンの結果が3位だったのも喜び方を難しくした。上から下までで20も勝差がつく6チームによるリーグで3チームに出場権があるプレーオフは、個人的には健全ではないと考えている。レギュラーシーズンの価値を落とさずに魅力あるポストシーズンを実現するには、球団数拡張をするか、球団間の戦力均衡のための制度が必要だ。しかし協調発展の旗を振る胆力とビジョンがあるプレイヤーが、少なくとも適切なポジションにいないのだから、嘆いたところで仕方がない。
救いだったのは、祝勝会(ビールかけ)の中で、牧も桑原も康晃も、来年はリーグ優勝だと口にしたことだ。もう一度、文句ない日本一が見たい。

思えば野球が日常に組み込まれたのが26年前だった。その年にできた友人が寝ても覚めても野球、寝ても覚めても巨人軍のクラスメイトだった。最初こそ読売に引き込まれそうになったが、父が大洋のころからのファンだと聞いて、そして横浜がノリにノッていると聞いて早々に鞍替えたのは、おそらく1学期の末。母親からは「父に気を遣わず、巨人を応援したければいいんだよ」と言われたが心配は無用だった。リーグ優勝・日本一の瞬間をじっくりテレビで見たわけでもなかった。
時は流れて、現役でチームに残る同学年も伊藤光だけになった。歳上を見ても、大和が去った後に残るのは偉大なる宮崎敏郎のみだ。勝手に自分の人生を選手に重ねてしまうプロ野球ファンは、これからどうやって歳を重ねていくんだろう。これからのベイスターズも楽しみだけど、想像がつかない。

日本一の夜から2日経ち、村田修一が還ってくることが発表された。出ていった経緯はあれど、我が青春のハマスタのど真ん中にいた漢の名前に心は踊るものだった。シーズン制覇の歓喜の輪には、若手が跳ね回るど真ん中から少し離れたところでいいから、村田と筒香が喜びあっていていてほしい。
