ベイファンとITエンジニアの狭間で

ベイスターズを応援しながら元気をもらう IT エンジニアのブログ

【#Baystars】三上朋也パーソナルコンプ 2014 Genesis Cosmic Cross

三上朋也パーソナルコンプ.前回の記事はこちら. mura-mi.hatenadiary.com

前回紹介した Genesis での高級インサートカード「Cosmic Cross」です.

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表面はレギュラーカードの写真の背景違い版.そして裏面はその表面の元になった写真が使われています. 個人的に突っ込みどころは,一塁手中村紀洋ということ. 2014年の中村紀洋は,開幕から四番を任されていたトニ・ブランコが離脱した後に一軍に合流,4月18日から5月4日まで四番・一塁でスタメン出場. その後采配批判と取られる言動から二軍広角となっています. なので,この三上はまだ守護神ではなく,敗戦処理からちょっとずつ信頼を勝ち得ていっているところですね.

【#Baystars】首位攻防戦が始まったからこそ思い出したくて『4522敗の記憶』を読み返した

「単独首位」という言葉の甘美な響きを堪能し,勝って兜の緒を締めよとベイスターズが首位攻防戦第一ラウンドに臨んだ4月10日の夜,僕は思い出したくてこの本を引っ張り出してきた.

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優勝した1998年の記憶, そこからマシンガン打線が一気に解体する様子, 振り返って大洋ホエールズの誕生, 三原魔術による初の日本一, 山下大輔の入団, 横浜スタジアムへの移転と遠藤,斉藤のダブルエース時代, 横浜ベイスターズの誕生と98年優勝メンバーの萌芽, 少し時代が飛んで TBS への身売りと暗黒時代, そして DeNA になってから…

脈々と続く歴史をなぞる中で,「漁師気質」と著者が形容する独特の価値観や雰囲気.良くも悪くも一つの畝に乗ったファミリーであった.面倒見は良いかもしれないが,厳しいことをいう嫌な顔をされるような空気.それがいつまでも勝ち切れないベイスターズの根幹だ,という著者の考察には頷かされるところがある. そしてチームの浮沈を決定的に握っているのが編成,人事であること.98年の優勝メンバーの中核を築き上げたのが古葉監督とともにチームに入ったスカウトたちであること,横浜低迷のターニングポイントは森祇晶監督という「ミスキャスト」であること,そして2000年代後半に相次いだ「不可解なトレード」や「出すべきでない選手の放出」.

さて,この本が著されたのは2013年の春だったが,翻って今のベイスターズはどうだろう. 中畑清監督のリーダーシップは年を追うごとに進化しているように見え,チームを締めるところはしっかり締めているように思える. 編成も見違えるように成果が上がっている.これは高田繁 GM の手腕によるところが大きいだろう.ドラフト戦略,外国人獲得,ファームでの選手育成など,チーム全体で一貫して動けるようになっているのは,これまでのベイスターズ史に無い大きな一歩だと思える. 今のベイスターズに自分が何となく高揚感を覚えているのは,これまでに無かった「再現性のある成功」を追い求めるための足場固めがちょっとずつ出来ており,それが実を結んで下馬評を覆すような戦いぶりが今のところできているからんだな,と実感できた.

書名しか知らないベイスターズファンはもちろん,一度読んで本棚にしまったままのあなたも,もう一度読み返してみてはどうだろう.

4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ 涙の球団史

4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ 涙の球団史

【#Baystars】三上朋也パーソナルコンプ

三上朋也投手のベースボールカードコンプも,ちょっとずつ再開していきましょう. ちなみに,他に数選手,ちょっとハマり始めているので,彼らのカードもおいおい…


今日は, BBM 2014 2nd と BBM 2014 Genesis のレギュラーカード.

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5月になって守護神起用が始まった頃の写真.グローブはまだ SSK ロゴが中央にあるので最初のモデルと思われます. 比較的上の角度からの投球のようなのですが,握りを見るとツーシームかスライダーというところ? 上からはナチュラルなストレートしか投げない三上投手なので,実はスリークォーターの投球のシーンでしょうか.

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BBM カードの高級版「Genesis」では,守護神としての地位を確立しつつある6月末のスタッツ.2つの差分を見ると交流戦の約半分に迫る試合に登板しているとわかりますね. (この年の交流戦は 24 試合制) やはり三上投手が後ろにどっしりと待ち構えることで試合運びのめどが立ったのだなと思わせてくれます.


2015年シーズンは右肘痛で出遅れている三上投手.ただでさえ勝ちパターンが心許ないだけでなく,ルーキー山﨑康晃投手がどこまで持つかわからない中,復帰時期に注目です.

【#chibaLotte】里崎智也『非常識のすすめ』内容の濃さに脱帽!

いきなりですがベイスターズではない話題. 「面白い」と耳にしてはいたが,想像以上であった.脱帽.

何が凄いって,まず内容が濃いのである. 普通,引退してすぐに野球選手が出す書籍は,新書かそれに準ずる程度の分量で,しかも文字も結構大きかったりする. 自分が小学生の時,引退してすぐの星野伸之の『真っ向勝負のスローカーブ』に感銘を受けたが,今になって開けば確かに小学生でもなんとか読めるような密度だったし,だからこそ心に残っているのだと思う. (もちろん,そのレベルでも小学生を開眼させる面白さを詰め込めたのも凄いのだが) 『非常識のすすめ』は違う.徹頭徹尾論理的に話が進み,里崎独自音視点で野球を,打撃を,捕手を,投手を,そしてそれ以外のことを語ってゆく.

頭が良いな,と思ったのは,「どうしたら投手は球速が上がるか」,「どうやったら勝負強い打者になるか」という,ひと通りに答えが決まらない命題にも,納得できるかなり精度の高い回答と理由を用意し,端的な言葉で答えられているという点である. 高校生の時,亡き私の父が WBC を観ながら「なんだあの捕手,何も考えてないで打席立ってる.頭は帽子を載せるため!」と言っていたのを思い出したが,その裏には明確な理由付けに基づいた「当たるも八卦・当たらぬも八卦打法」があったのだった. 自分も「打撃の良い捕手」というイメージで長いこと里崎を見ていたので,この本を読んで「もっと里崎の現役時代を堪能すればよかったなぁ」と思わざるを得なかった.

様々な野球選手に具体的に名前を出して言及しているので,その点も読み応え十分である. 面白いのは,久保康友とサイン違いの言い合いをした話とか,唐川侑己が殻を抜け出しきれない点など,比較的後ろ向きな話も遠慮なく書いてあること.長い間チーム全体のことを見ていた人間ならではの視点である.

商魂というか,商売センスがあるのも注目したい. 千葉マリンのリボンビジョンの提案をしたのが里崎だというのは有名な話だが,捕手用防具の胸の部分にメーカーのマークを入れたのも里崎が最初というのは初めて知った.

全体を通して,ここまで考える選手だったんだな,というのは本当に想像以上だったし,他球団のファンだから知らなかったけど本当にもったいなかったなぁという気持ち. 最近 MLB では,野球未経験の GM が元選手を GM 補佐として迎え入れ,自分に欠けている経験を補おうとするという例が増えており,日本でも稲葉篤紀北川博敏などが似たような立場で球団に残る例が増えている. 里崎も千葉ロッテスペシャルアドバイザーとしての命を受けているとのことだ.今後,どんな方向にアクションを打ってくるのか,非常に楽しみにさせてくれる一冊であった.

山崎憲晴の「究極のスーパーサブ」という定位置と,その先

2015 年の NPB ペナントレースが始まって気になっている選手の一人は,横浜DeNAベイスターズの山崎憲晴選手だ.

倉本に遊撃手の定位置を奪われたカタチになった #山崎憲晴 だが、フルシーズンを戦った経験のない倉本と飛雄馬がばてたり、故障者が出た時に真価が発揮される時は必ず来るはずだ。 #baystars

憲晴は,昨年 115 試合に出場.中でも先発遊撃手としてはチーム最多となる 87 試合に出場した. シーズン終盤には右足首の故障を押して出場し,12 失策を記録した.

もともと打力のある選手を優先して起用する傾向があるように見える中畑清監督のもと,2015 年は新人の倉本寿彦が 9 試合中 8 試合,残り 1 試合を上り調子で打撃が売りの飛雄馬選手が遊撃手として先発出場している.

個人的に思い入れのある山崎憲晴ではある.昨年の怪我さえ完治していれば,かなり安定した遊撃守備を見せてくれるのではないか,と思っていたのだが,開幕からの倉本のアグレッシブかつ安定した守備を見ていると,しばらく倉本の起用は続くのだろうなと思ってしまう.

#baystars #倉本寿彦

しかし,結局,憲晴の一番の売りはそのスーパーサブたる存在である. 時に捕手をこなせること,内野のどこでも守ることができること,それはチームがある程度安定して回っている現状では実感が沸かないかもしれないが,長いシーズンで歯車の何処かが歪んだ時に,「いてよかった」と思える時が来ると信じている.

個人的な話になるが,「仕事とは "わらしべ長者" である」という言葉がとても好きである. 最初は小さな雑用しか与えられなくても,それを確実にこなし,なおかつプラスアルファで能力や気遣いやクオリティの高さを見せ,ちょっとずつ大きな仕事を与えてもらう,それが仕事における成長だと思っている.言い方を替えれば「仕事の報酬は仕事」なんだと思う. 昨年,レギュラーを掴み取るまであとちょっとのところまで来た山崎憲晴こそ,捕手までこなすことでベンチに生き残り,ちょっとずつ試合出場の機会を増やしていった「わらしべ長者」だったのである. 究極のスーパーサブとしての心強さはあれど,やはりそこからもう一度,レギュラー遊撃手に駆け上ってほしいと願ってやまないのである.

【#baystars】Blog のタイトルリニューアルと開幕9試合を観た話

「むらみのはてな」と銘打って4ヶ月ほど放置してしまった当ブログですが, 結局野球のことしか書いてなかったので,野球のことを書くブログとして再起動したい所存. 応援しているベイスターズのことを軸に書いていきますが,他球団や MLB のことも含めて書いていくつもり.

タイトルは「B・風・優・Ah!」ということで… 個人的に応援している横浜DeNAベイスターズの三上朋也の Personal Slogan "BE WHO YOU ARE" に勝手に別のアルファベットや漢字を当てたものです.

  • BBaystars の B.
  • は,ハマスタに吹く,強烈ではないにせよ気まぐれな風.
  • は,僕達がほしいもの…そう,優勝.
  • Ah! は,ファンとしての一喜一憂.

………要はこじつけです.(笑) 全体的に自分は Twitter に軸を置いてオンラインで生活しているので,このブログも Twitter に自分が書いた記述をメインにしながら記事を書いていくようなつもりです,今のところ.


さて,ベイスターズは開幕して 9 試合を戦い終えて 5 勝 4 敗とひとつ勝ち越して終わりました. 自分は東京ドームでの3連戦,火曜日の地元開幕,そして土曜日のスワローズ戦の5試合を観戦してきました.

何から話そうかと思うのですが,まず,貯金1で最初の9試合を終えたこと! 以前,読み応え抜群のムック『読む野球』にて東北楽天ゴールデンイーグルス初代監督の田尾安志さんが言っていたことを思い出して,4 勝 4 敗で迎えた 9 試合目のある日曜の朝にこんなことを書いたんです.

そう,カード勝ち越しという考え方もシーズンを戦う上で大事なんだけど,そうそう毎カードで勝ち越しを求めることは出来ない. でも,9 試合で 5 勝 4 敗を続けていけば貯金16になる. (もっとも,今季は 143 試合制だけど) この考え方が非常にわかりやすかったんですね. (ちなみに,田尾さんの話は,初代楽天はまず4勝5敗の「普通な最下位」にする,という話だったんですが) それだけ5日の三嶋の好投は,踏ん張って欲しいところで踏ん張ってくれたな!と思います.


この9試合で個人的に印象に残ったのは田中健二朗投手.

この9試合で印象に残ったのは #田中健二朗 。ダレだ試合の中盤をきっちり締めて諦めない空気を持ってくる役割は、数字に表れない影響があると思っている。 #baystars

27日の開幕戦では久保康友投手がリードを許して 4 回でマウンドを降りるという想定外の事態となったものの,ズルズルと行かず諦めない空気を作ったのは 5, 6 回を完璧に抑えた健二朗だったと思います. 低めにビシッと直球が決まり,目先を変えるカーブも決まるとそう簡単に手は出ない. 31日の本拠地開幕戦では,こちらも井納翔一投手が早々にマウンドを降りた後,新井貴浩選手に2点適時打を許してしまったが,今後もしばらくはこのような起用が続くと思われるので,浅いビハインドや先発が早めにマウンドを降りた中盤の登板に期待したい.


ということで,今年は極力ブログに駄文を書き下したい所存なのでよろしくお願いします. 三上朋也パーソナルコンプリートも再開するつもり.はたして三日坊主脱却となるか…

黒田博樹の広島カープ復帰を受けて『決めて断つ』を読んでみた #carp

2014年12月27日,朝起きると Twitter のタイムラインがひとつの話題で持ちきりだった.黒田博樹の広島復帰の話である.そこでどうしても読みたくなったのが,黒田がニューヨーク・ヤンキースで投げ始めた 2012 年に出版された『決めて断つ』だった.

決めて断つ

決めて断つ

去年,書店で前書きだけ読み,2011年オフに一度広島復帰を決断したものの,30分後に「もう少し考えさせてくれ」と言い直した,というエピソードだけ読んだ記憶のあった私は,「ついにこの日が来たか」と,いろんなことを思い巡らせた. なぜ,このタイミングでの広島復帰なのか…本人が口を開かなければ私達は知り得ないけれども,いろんなことに思いを巡らせる,その材料として,書店に走り,買ってきて一気に読みふけったので,そのレビューを.以下,私のブクログの引用です.

以前書店で前書きのみ読んで購入を見送ったが,広島カープ復帰決定報道を受けて購入,即読了.

今回の黒田の広島復帰が「チーム愛やカープへの恩義のため」であるにせよ,なぜこのタイミングなのかを推察したり,
広島での2015年を過ごす黒田博樹に何が待ち受けているのかに想像を巡らせるのには十分な内容になっている.

黒田は,他の多くの野球選手と違い,「プロになるまでずーっと一線級の世界で戦ってきた」選手ではないことが,本の冒頭で明かされる.
上宮高校では3年間補欠でグラウンドを走らされる毎日,そこからセレクションの受験を通じて入学した専修大学にて少しずつ戦いの世界を広げ,
プロでも着実に1歩ずつ階段を登ってきた選手であった.
その階段の先でプロ野球からもう一歩上にある世界として巡りあったメジャーリーグという世界に身を投じたことが綴られている.

2014年12月の広島復帰報道でも,「MLB からの 20 億円というオファーを蹴って,年俸4億の広島を選んだ」ことが話題となっているが,
ドジャース入団時も黒田は,4年契約を提示されたところを3年契約にするよう願い出たことが書かれており,ある意味「今更驚くことではない」ことが分かる.
ここらへんの決断の根拠もしっかり書いてある点が,この本の評価されるべき点だと思う.
また,翻って,なぜこのタイミングで MLB ではなく NPB でプレーしようという決断に至ったのか,非常に大きな興味が湧いてくる.

また,メジャーリーグで生き抜くにあたって,考え方の転換を図った話も非常に興味深い.
メジャーでは 1 試合を投げ抜くことよりも先発ローテーションを着実に守ることが重要視され,黒田も完投へのこだわりを捨てた.
こういう話はもう日本でも有名だし, NPBMLB の野球の違いは素人も話はよく知っていることだ.
驚かされるのは,中 4 日というハードスケジュールを乗り切るために,「練習で技術の不安を払拭することをやめた」という話だ.
日本では練習で技術的な不安を完全に取り除いて試合に臨もうとしていたが,それでは体力が持たないため,
試合前と試合2日前ののブルペンでの投球は 36 球まで,と決めたというのだ.

野球のルールや仕組みの話なら,投球回数や球種配分など割り切ることもできなくはないと思うが (それも難しいだろうが) ,
いわゆる「日本人の性分」というか,心配症な気持ちすらも乗り越えてメジャー流を取り入れ結果を残してゆく,という姿勢に驚いた.

上記のような意思決定は,「日程や移動が過酷な MLB では心技体のうち "体" を一番ケアしないといけない」という考えに基づいていると黒田は本書で語っているが,
それではそんな MLB での 7 年間を経てやってきた日本ではどのようなルーティンワークを見せるのかも,私達が確認したいポイントのひとつになるといえよう.

本当に贅沢な話を言えば,メジャーリーグでの「絶対にファンが知り得ないようなエピソード」に欠ける点だけ物足りなかったかな,と思う.
もちろん,黒田のプロフェッショナルな姿勢を紹介するための本書であるかぎり,それを求めてはいけないのだけれども.
そういう意味では,ドジャースでの 4 年間キャッチボールのパートナーだったクレイトン・カーショーのエピソードは読み応えがあった.